この度、カーシェア「Anyca(エニカ)
にてスバル R1 を借りることが
できましたので試乗レポートをお届けします。

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スバル R1 とは

まず R1 というクルマについて。

スバルが製造した(ここ重要!)軽自動車で
プレミアム的な位置づけとなるモデル。

先行して販売されていた
5 ドアの R2 のイメージをそのままに
ボディを短縮、3 ドアとした成立したのが
このクルマです。

とはいえ、 R2 との共通部品はごくわずからしく、
いかにお金がかかっているかがこんなところからも
分かります。

実車チェック

試乗グレードは「R」。

上級から「S」、「R」、「I」の3グレードが
展開されていたようです。

※ 特別仕様車は除く。

エクステリア

かわいいです。

コンセプトはかつての名車
スバル360のイメージを受け継いで
「Newてんとう虫」。

このボディカラーだと
そのイメージがよりしっくりきます。

サイドはこんな感じ。

このビューからも伺い知れますが、
後席スペースはごくわずか。

ほとんど 2 人乗りと
割り切ったほうが良さそうです。

リヤも丸みが強調されて
本当にかわいいです。

インテリア

このクルマはセットオプションの
レザー&アルカンターラセレクション装着車。

シートのメイン部にブラックのアルカンターラ、
サイド部にはレッドの本革を用い、
本革巻きステアリング、本革巻きシフトノブ、
アルミ製スポーツペダルを装備し、
プレミアムな趣を醸し出しています。

シートはほどよいホールド感。

軽自動車らしからぬしっかりとした作りで
長時間ドライブも疲労度は少なめと思われます。

メーターは 3 眼で視認性は良好です。

エンジン

スバル純正軽自動車の特徴といえばなんと言っても
最後まで採用していた 4 気筒エンジンでしょう。

※ スバルの軽自動車は 2012 年に生産終了。
  以後はダイハツの OEM 供給を受ける形に。

型式は EN07。

660cc という軽自動車の排気量では
一般的に 3 気筒の方が燃費などで
優れているそうですが、
スバルはこの 4 気筒エンジンで
同等の経済性を実現していました。

R1 に搭載されていたエンジンは 3 種類。

SOHC、DOHC とそれにスーパーチャージャーを
追加したものも。

こんな多種展開も現在では
なかなか見られませんね。

試乗!

乗り心地

では走り出してみましょう。

そのかわいい姿とは裏腹に
印象を一言で表すと「骨太」。

乗り心地は硬めです。

ただし、ボディ剛性が高いせいか
足回りがしっかり動いてくれていて
嫌な突き上げなどはありません。

むしろ、最近のトール系の
軽自動車で感じる「ぐんにゃり」とした
乗り味と比べれば格段に快適に感じます。

最近のセダン系とくらべても
その印象は上かも知れません。

パワー・音の印象

搭載エンジンは DOHC タイプで
出力は 54 馬力。

車両重量 820kg を動かすには
必要にして十分のパワーです。

組み合わされるトランスミッションは CVT。
現在の軽自動車のダルダルなものに
比べると格段にダイレクト感の強いもの。

走り出しはいわゆるラバーバンドフィールで
エンジン回転も高めですが、
スピードに乗るとダイレクト感増加、
CVT の違和感は少なくなります。

どこまでもぐわーん……と
「音だけ加速」している最近の軽に比べると
節度感があって心地よいです。

静粛性は低め。
エンジン音がかなり室内に入ってきます。

が、それは 4 気筒の上質な音。
スムーズに吹け上がり、
そのサウンドは耳に心地よく響きます。
これはあえての演出なのかも。

ハンドリング

クイック、というわけではありませんが
何よりボディが軽く、
しかも軽自動車としても短いので
スイスイ向きを変えてくれます。

かと言って直進安定性もしっかりあり、
これなら高速道路でも不安少なく走れそう。

今回、筑波山までドライブし
いわゆる山坂道を流してきましたが
とても楽しく、気持ちよく走れました。

マニュアルトランスミッションが
ラインナップされていたらどんなにか
楽しい車になっていたでしょう。。

R2 に設定の合った MT を移植した強者も
いらっしゃるそうで。その気持、分かります。

その他ギミック

細かいところですが、
おお!と感心したのがこれ。

リヤハッチのスバルマーク、
やけに大きくて立派だなぁと思ったら、

ドアノブを兼ねていたんですね。

こういう演出に私は琴線をくすぐられてしまいます。

軽自動車撤退は非常に残念

一日ドライブしてきましたが、
この R1、本当にいい車でした。

今でも通用する乗り味だと思いますし、
いかにもスバルらしい、とても真面目に作られた
クルマであることがよく分かりました。

現在 OEM でスバルブランドの軽自動車を
作るダイハツには、この思想を少しでも
受け継いでもらいたかったと思わざるを得ません。

したっけ。