今日はちょっと真面目に、

お硬い話題に触れてみます。

 

お題は「ベーシックインカム」。

 

最近ニュースなどで耳にした方も

あるのではないでしょうか。

ベーシックインカムとは

ざっくり説明しますと、

国民全員に毎月最低限の生活が

できるだけの現金を配るという

制度のことをいいます。

 

生活保護とはどう違う?

生活保護は自力での生活が困難な

国民にのみが対象となりますが、

ベーシックインカムは全ての

国民が対象になります。

 

受け取るための申請、審査などは

一切不要です。

 

いくら貰えるの?

今、日本での実行を想定して

議論されている支給額は

月額 80,000 円程度とのことです。

これはだいたい現在の

年金支給額に相当するようです。

 

生活保護はなくなるの?

制度は継続されます。

 

なぜなら、ベーシックインカムのみ

では生活が困窮してしまう方は

依然として残ると思われるからです。

 

こういった方には今まで通り

ベーシックインカムにプラスして

生活保護も受けられる、

という前提です

(多少の減額はあるでしょうが)。

 

財源は?

一番気になるのはここでしょう。

 

まず前提について説明しますと、

ベーシックインカムの年間支給額

を一人 100 万円とすると、一億二千万人

では 120 兆円が必要となります。

 

ここから相殺できる保険などを

積み上げて差っ引いていくと

最終的に必要となるのは 70 兆円

ほどになるとのこと。

 

ではこの 70 兆をどこから引っ張ってくるか。

というのは以下で説明します。

 

国民負担率

ここで登場していただくのが、

「国民負担率」という言葉。

 

GDP に占める 税金・社会保険料の

負担割合を示す数値です。

 

この国民負担率、日本では

どれくらいかと言うと 37 %。

 

4 割の負担というと

「結構払ってるなー」と

思う方も多いでしょうが

(私もそうでした)、

先進国ではワースト2なんです。

 

ちなみに、

ワースト1はアメリカの 35.6%。

 

ヨーロッパ諸国では軒並み 50%以上で

福祉大国スウェーデンでは 76.5%。

 

これを 60%(フランスと同水準)にすると、

ベーシックインカムの財源は確保できる

とのことです。

 

つまり税金・社会保険料の負担を

重くするということです。

 

フィンランドでの社会実験

今年(2017 年)1 月から始まっている

ベーシックインカムの大規模実験は、

定職に就いていない2000人を対象に、

毎月 560 ユーロ(約 7 万円)を 2 年間無条件で

支給するというものです。

 

従来の失業補償との最大の違いは、

仮に実験期間中に就職が決まった場合でも

「奨励金」としてお金を受け取ることが

できるという点です。

 

失業補償のような受給についての

諸条件はなく、参加者は就職活動の

状況を報告する義務もなければ、

そもそも職をさがさなくてもOK。

もらったお金は何に使うのも自由、

という無条件という特徴があります。

 

スイスでは国民投票

この国民投票の結果、否決になりました。

主に以下が理由だったと言われています。

  • 金額が 30 万円くらい配るという案だった
  • 実施すると移民が流れ込む恐れ→財源不足

 

メリット

さて実例を挙げて説明してみましたが、

ではそのメリットとは?

 

それは何と言っても、

「誰でももらえる。」

これに尽きるでしょう。

 

デメリット

「労働意欲がそがれる」

という意見もあるようですが、

先のフィンランドの例でその対象者は

「職探しにより積極的に取り組めている」

という意見が多数となっているようです。

 

また現在働いている人も

7 万円の可処分所得が増えたところで、

「仕事をやめよう」とはならないはず。

 

また以前の私のように起業を志す人に

とってはかなりの余裕となることは

間違いありません。

 

色々書いてしまいましたが、

デメリットは

基本的に我々国民にはないと

言いきっていいかもしれません。

 

ただ、ベーシックインカムが

できることで困るの人もいます。

 

それは官僚さんたちです。

 

具体的にいいますと権威性が

大いにそがれることになるということ。

 

また、お役人さん達でも

不要となる人達が多数発生することになります。

 

BI がだめな理由あります?

ベーシックインカムは

最もシンプルで有効性の

高い再分配の仕組みと

言うことができると思います。

 

さっさと導入しちゃいましょー。

 

※(富の)再分配とは:

租税・社会保障・福祉・公共事業などにより、

社会の中で富を移転させること。

国などが、大企業や富裕層の所得・

資産に累進的に課税して得た富を、

社会保障・福祉などを通して経済的弱者にもたらす。

 

したっけ。