本日は茨城県猿島郡境町(さしまぐんさかいまち)へ。

2019 年の CEATEC で乗れなかった
自動運転バスが日常的に
運行されているということで
視察に行ってきました。

自動運転バス

この自動運転バスは 2020 年 11 月から
境町が実証実験として向こう 5 年間の
予定で運行を開始しました。

国内向けの車両の改造、運行請負を担うのは
ソフトバンクの子会社 BOLDY(旧ソフトバンクドライブ)。

路線は 2 系統あり運行経路延長約 20km は
自動運転バスとしては日本一とのこと。

町内の公共施設や道の駅、
高速バスターミナルなどを
結び地域住民、観光客の足としての
利用が期待されています。

運行費用は全額町が負担しており、
運賃は「無料!」です。

車体について

車内

自動運転に供されるのはおフランスの
「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」
という車種。

全長×全幅×全高は、
4,750×2,110×2,640※mm。
最低地上高は 200※mm。

※ エアサスにより+40mm, -60mm 調整可能。

最小回転半径のデータはありませんが、
前後輪の操舵が可能なので
相当小回りが効きそうです。

タイヤはスタッドレス

設計上の最高速度は 25km/h、
実際の運行では 20km 以下。

バッテリー容量は 33kwh。
満充電で 9 時間走行することができ、
充電所要時間は 200V で 8 時間。

着席定員は 11 人(コロナ禍につき 8 名で運用中)。
公道走行ではこの人数を上限に
運行を行っているとのこと。

車内にステアリング、アクセル、ブレーキと
いった従来の運転設備はなく、
ゲームのコントローラで操作を行います。

自動運転を成立させるのは、
2 種類の LiDAR システム、GPS、
自車に搭載された高精度 3D マップ。

通常運行中はオペレーターの方が
発車の合図を送るだけで、
発進、停止、右左折などが
自動で行われます。

短いですが、車内外・走行の模様を
動画に収めました。

このクルマを運転するためには
中型限定解除が必要で、
独自のオペレーション研修を受ける
必要があるとのこと。

……面白そうですね。
幸い、先日限定解除したばかりですし、
ぜひ受けてみたいと思ってみたり。

道の駅から乗車

乗車のためにやってきたのは
茨城県猿島郡境町にある道の駅さかい。

利根川と江戸川の分流点に近く、
かつては、ロードバイクで江戸川を
ひた走って訪れたことも……
今回はカーシェア利用です。

境町には鉄道路線がなく、ここへ来るためには、
東武スカイツリーラインの東武動物公園駅、
東武アーバンパークラインの川間駅、
JR 宇都宮線古河駅から朝日バスを利用する
必要があります。

始発バス停はひっそりと

今回は始発となる道の駅発 12:55 発の
便に乗車、終点の高速バスターミナルまで
走破してみることに。

乗り場は道の駅の裏手にひっそりとあります。

道の駅に正面から入るためには
交通量の多い国道を通らなければならず、
最高速度が低い自動運転バスは
他の交通の支障になるというのが
その理由と推察します。

そのため、道の駅に訪れても
その存在に気づかない人が
多いのではないでしょうか。

きめ細かく停車

地元の方、観光客が
利用しそうな施設の前に
こまめにバス停が設置されています。

※ 要望等で次第に増えているんだそうな。

終点の高速バスターミナルでは、
境町~東京駅線に乗り継ぐことができます。
都内からお越しの際はこちらの方が便利です。

降車時にオペーレーターの方から
記念品?を頂きました。

裏話も

幸い?にも乗客はワタシ一人でしたので、
気兼ねなくオペレーターさんと
お話することができました
(オペレーションに支障のない程度に)。

データを事前収集

まず技術面。
このクルマには 3D 地図が
搭載されていますが、
これは事前にルートを走り
実測した物なんだそうです。

道路、周囲の変化などで
走行ルートが狂うこともあるそうで、
その都度、図り直ししているそうです。

認知度……

今日は格段に乗客が少ないようですが、
普段もあまり乗車人数は多くないようです。

地元の方は興味深く見てくるようですが、
無料で乗れるという事を
ご存知ない方も多そう……とのこと。
なんとももったいない。

当ブログがプロモーションの
一助になれば幸いです。

暑さに弱い

もう一つ。
今日は夏を思わせる暑さでしたが、
この車両、エアコンの効きは弱いそうで、
特にこのご時世、窓を閉められないこともあり、
真夏には 40 ℃近くになることもあるそうで。

ワタシは今日も車内で汗かいてましたが、
まだまだマシな状況だったんですね。

地域交通の救世主となるか

残念ながらまだ地域に浸透している
とはいえない状況のようですが、
各地自治体、団体からの視察は
数多く受け入れているとのこと。

次世代地域交通の担い手として
注目度は俄然高まっているようです。

ワタシも今後をしっかり見守って
いくことにいたしましょう。

ともあれ、とても面白い体験ができました。
皆さんも「近未来」を味わってみては。

したっけ。