自宅の近所にあるこのクルマ。
空気圧低下、ナンバーもないことから
長い間動いてないものと思われます。

スバリストとしてはこのクルマ
なんとかならないかと思っていたりします。

今日はこのクルマについて深堀り。

赤帽サンバー

このクルマは「赤帽」仕様の
SUBARU サンバーの旧モデル。

※このモデルまで SUBARU が自社生産していました。

赤帽とは

赤帽とは軽自動車貨物運送事業者(個人事業主)の組合のこと。

端的には、
「軽貨物事業のフランチャイズ」
とも言えましょうか。

特別仕様

サンバー赤帽仕様は
専用カタログも存在する
特別仕立てのクルマ。

過酷な運送業務での使用にも
耐えうるよう
一般向け?サンバーとの差別化は
以下の通り、多岐にわたっています
(一部抜粋)。

エンジン

軽自動車としてはほぼ絶滅してしまった
直列 4 気筒エンジンで
白金プラグの採用やフリクションの低減などにより、
燃費性能はもちろん耐久性、信頼性、出力特性を
さらに向上。

収納式ハンドブレーキ

ハンドブレーキを効かせたままレバーを
下げることが可能で運転席、助手席間の
フラット化に貢献。

電源用ハーネス

車載器接続のためのハーネスを
インパネ下に用意。

高輝度ルームランプ

地図などを読みやすいよう
高輝度のルームランプを採用。

強化レザー表皮シート

耐久性を向上させた
専用デザインのシートを採用。

エアダム一体型フロントバンパー

高速走行時の安定性向上。

その伝統はダイハツ製にも

SUBARU の軽自動車自社生産は
2011 年で終了。

ダイハツ ハイゼットの OEM 車となり
赤帽サンバーも一時消滅しましたが、
ほどなく復活。

SUBARU で培った耐久性向上等の
ノウハウを生かして以下を採用した
特別仕様となっています。

  • 赤帽専用エンジン(殆どが赤帽専用パーツに変更されている)
  • リヤ車軸式4枚リーフスプリングサスペンション
  • アンダーコートとシーラーの塗布量増加(トラック)
  • 強化レザー表皮専用シート
  • 専用オーバーヘッドシェルフ
  • 専用インナーフック

農業者向けも

SUBARU のいわゆる特化型サンバーは
赤帽仕様のみではなく、
農業者向けの営農サンバー(現 JA サンバー)
というのもあります。

こちらは主に悪路走破性を
高めた仕様になっているようです。

※農業仕様はスズキ キャリイにもあるそうです。

サンバーだけでも残せなかったか

SUBARU の軽自動車撤退で
もっとも悲しがったのは赤帽関係者、
農業関係者だったという話もあり、
存続のために署名活動もあったとか。

単に愛着というだけではなくて、
その構造上ハイゼットの OEM では
得られない性能がその理由にありそうです。

かつてのサンバーは荷台したにエンジンを
搭載し後輪を駆動する(RR)方式で
「農道のポルシェ」の異名がありました。

こうした特化型モデルは
大手に比べて小回りの聞く
SUBARU だから実現できたこと
だと思います。

今更ですが、経営陣の方は
国内からのこうした声を
もう少し聞いてあげても良かったのでは?
と思うのであります。

したっけ。